ホットリンクモジュールを使用すると、外部のArchiCADファイル(ソース)の内容を現在開いているプロジェクト(ホスト)に挿入できます。ホットリンクモジュールでは、外部ソースファイルへの論理参照(ホットリンク)を使用して組み立て要素のセットを平面図に配置できます。
ホットリンクモジュールは、同一の部屋が多いホテルや事務所のような建物の反復構造を管理する場合などに使用できます。複数の部屋をホットリンクモジュールファイルとして配置すると、モジュールのソースファイルを更新するだけで全ての部屋を1度に変更できます。さらに、同じ構造を複数のプロジェクトで使うこともできます。この方法は、大型のプロジェクトを扱いやすい小さなファイルに分割するのにも便利です。
モジュールのソースファイルは、単独ユーザープロジェクト、チームワークプロジェクト(ホストプロジェクトと同じバージョン番号)、またはArchiCAD 12以降のモジュールタイプファイルのいずれかです。
旧バージョンの単独ユーザープロジェクトをホットリンクソースとして使用するには、まず、ソースファイルをArchiCAD 12以降で開いて保存する必要があります。
チームワークプロジェクトをホットリンクソースとして使用するには、まず、ArchiCAD 13以降に移行する必要があります。
旧式プロジェクトの移行の詳細については、「ArchiCAD 17の移行ガイド」を参照してください。
•ホストファイルには、複数のホットリンクを含めることができます。
•ホットリンクされたソースファイルが変更された場合、モジュールの内容をコマンドで更新できます。
•ホットリンクモジュールの要素はホストプロジェクトに組み込まれます。つまり、ホットリンクされたソースファイルが現在利用不可でも、モジュールは存在し目で見ることができます。参照されるソースファイルが使用できない間、更新できないだけです。
•選択したモジュールに属する要素のホットスポットには、白抜きの四角いマークが付きます。複数のモジュールを選択した場合は、識別しやすいように選択ドットが異なるカラーで表示されます。
•同じホットリンクの複数のインスタンスを個別のモジュールとして配置できます。それぞれのインスタンスの配置パラメータは、同じホットリンクソースを共有している場合でも異なったものにできます。
•マスタIDパラメータを使用する場合、このIDは、要素独自の要素IDの拡張としてホットリンクモジュールインスタンスの全ての要素に割り当てられます。結果として、モジュールの全ての要素が一意のIDを持ちます。
•モジュールは、ライブラリ部品やグループと同様に、1つのモジュールとしての編集だけが可能です。モジュールのグループ解除はできません。また、モジュールの要素は、配置済みのモジュールの構成要素である限り、編集できません。
•[検索と選択]コマンドを使用して、ホットリンクによってモジュールの要素を検索できます。
詳細は、「要素の検索と選択」を参照してください。
•ホットリンクの管理(修正、更新、解除、削除)は、配置されたその全てのモジュールに影響を与えます。
ホットリンクモジュールの機能は、平面図から平面図への通信に限定されます。つまり、ソースファイルの平面図に表示される要素だけがホストファイルでも表示されます。
•ソースファイル内の上部リンクされた要素は、モジュールとして配置されている場合、ホストファイルのフロア構造に合わせて調整するか、元の固定高さを維持して「リンクなし」とするかの2つの方法で解釈できます。
「[モジュールを配置]ダイアログボックス」を参照してください。
•断面/立面/展開図マーカーと断面/立面/展開図、および3Dドキュメントウィンドウの内容、および全てのタイプのカメラは、モジュールを配置する際に無視されます。
•.modファイルの一部としてリンクされた要素はIFCパラメータを保持します。
•リンクライブラリ部品: モジュールを配置しても、リンクライブラリ部品はどれもインポートされません。次のうちいずれかを実行し、ソースで使用されるライブラリ部品もホストで使用できるようにしてください。
- ソースとホストに同じライブラリを使用
- ソースのライブラリをホストファイルのライブラリに追加
•埋め込みライブラリ部品: モジュールを配置すると、ソースファイルの埋め込みライブラリ全体がホストファイルの埋め込みライブラリに追加されます。新しく追加された埋め込みライブラリを確認するにはライブラリマネージャーを使用して、埋め込みライブラリに自動的に作成される「ホットリンク」フォルダを開きます。このフォルダには、各ホットリンクソースファイルが個別に表示され、その全ての埋め込みオブジェクトも一緒に表示されます。これらのオブジェクトがソースプロジェクトで更新されると、ホストプロジェクトでも更新されます。
重要: これらのオブジェクトをプロジェクトに個別に配置することはお勧めしません。これらのオブジェクトは、プロジェクトからホットリンクモジュールが削除されるか、モジュールの配置済みの全てのインスタンスが削除されると、埋め込みライブラリから削除されます(ホストファイルを再度開いたときに、この削除処理が通知されます)。
•フロア: 複数フロア要素を含むモジュール、または複数のフロアを含むモジュールを作成する場合、モジュールの一部として全てのフロアを含ませるか、または選択したフロアだけを含ませるかを選択できます。
詳細は、「複数階ファイルのモジュールを配置する」を参照してください。
•ペンカラー: 現在のプロジェクトの設定がモジュールに適用されます。
•材質、線種、塗りつぶし種類、および複合構造: ホットリンクモジュールの要素が現在のプロジェクトの属性と同じ名前の属性を使用する場合、ホストファイルの属性が使用されます。同名の材質、線種、塗りつぶし種類、または複合構造が存在しない場合は、新しい属性がホストファイルに追加されます。ただし、属性がホストファイルの一部になると、その属性は、ソースファイル内の同じ属性を変更しても更新されません。
注記: ホットリンクモジュールと共にインポートされる属性は、プロジェクトに永久に追加されます。つまり、ホットリンクまたはモジュールを削除しても、属性は削除されません。
モジュールタイプファイルは、単純化タイプのArchiCADファイルです(拡張子は.mod)。これには可視のレイヤーと埋め込みオブジェクトのみが含まれます。このファイルは、断面/立面/展開図、ワークシート/詳細図、または3Dドキュメントデータ、ライブラリまたは環境設定情報を持っておらず、実際にその要素が使用している属性だけを参照します。このため、.modファイルは.plnファイルより小さくなります。
重要:.modファイルを開いて[断面図]ウィンドウ(またはワークシート/詳細図/3D ドキュメント)で図面要素を追加しても、 .mod ファイルを保存したときにこの修正内容は失われます。
旧バージョンソースファイル(ArchiCAD 11以前)の旧式ホットリンク
ArchiCAD 11以前のソースファイルからのホットリンクモジュールを含むプロジェクトを開くと、現在のArchiCADでのモジュールの更新方法に関する説明と一緒に旧式ファイルについての警告が表示されます。
旧式ホットリンクの変換方法については、「ArchiCAD 17の移行ガイド」を参照してください。
ホットリンクモジュールとチームワーク
「チームワークのホットリンクモジュールとXREF」を参照してください。
IFCデータをホットリンク
IFCファイルをArchiCADに直接ホットリンクすることはできません。ただし、IFCファイルから開かれた、または結合されたデータを収めるプロジェクトファイルをホットリンクすると、要素の主要なIFCプロパティの多くがホットリンクに組み込まれます。これはプロパティがArchiCAD要素の一部として定義されているためです。このプロパティには要素の構造機能別クラス、位置、IFC要素タイプ、断面形状、材質の定義などがあります。
IFCデータの使用の詳細については、「IFCの操作」を参照してください。