IFCオプション([ファイル]→[ファイル特殊]→[IFC 2x3])で定義した設定は、IFCデータの作成および結合方法にも影響します。
このオプションは、プロジェクト所有者(個人、組織、または個人と組織)に関する一般情報を入力する場合に使用します。この情報(IfcOwnerHistory)は、エクスポートする各要素に追加されます。
注記:
•ArchiCADプロジェクト情報([ファイル]→[情報])には、設計者の詳細が含まれ、これらの個人情報および組織情報は、前述の詳細情報から取得されます(下記テーブルを参照)。これらのデータを手動で編集するには、[プロジェクト情報]ボックスで[設計者の詳細を使用]のチェックボックスをオフにしてください。
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プロジェクト情報/設計者の詳細 |
個人および組織 |
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「設計者の詳細」 |
個人/「姓」 |
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「設計者の役職」 |
個人/「役割」 |
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「設計者の会社」 |
組織/「名称」 |
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「設計者の住所」/「アドレス」 |
個人/住所/「アドレスライン」(「郵便」住所タイプ) |
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「設計者の住所」/「市区町村」 |
個人/住所/「市区町村」(「郵便」住所タイプ) |
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「設計者の住所」/「都道府県」 |
個人/住所/「地域」(「郵便」住所タイプ) |
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「設計者の住所」/「郵便番号」 |
個人/住所/「郵便番号」(「郵便」住所タイプ) |
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「設計者の住所」/「国」 |
個人/住所/「国」(「郵便」住所タイプ) |
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「設計者のEメール」 |
個人/住所/「電子メールアドレス」(「電話」住所タイプ) |
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「設計者の電話番号」 |
個人/住所/「電話番号」(「電話」住所タイプ) |
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「設計者のFAX」 |
個人/住所/「FAX番号」(「電話」住所タイプ) |
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「設計者のWebサイト」 |
個人/住所/「ホームページURL」(「電話」住所タイプ) |
•モデルフィルタを使用した、エクスポート/インポートのモデルフィルタ処理で、所有者情報(要素所有者と呼ばれる情報)の個人名により、IFC要素をグループ化できます。この所有者情報はここで設定したもの、または他のアプリケーションから受け取ったものです。
「モデルフィルタ」を参照してください。
これらのコントロール(ボックスを選択)は、選択した、または全てのArchiCADライブラリ部品(オブジェクト、ドア、窓、天窓、階段、ゾーン、ランプ)のパラメータをIFCプロパティに変換する場合に使用します。基本的には、これは適用される設定ファイル(マップルール)に従って実行されるマップ処理です。設定ファイルは編集可能なため(後述を参照)、このオプションにより以下の操作を実行できます。
•デフォルトでライブラリ部品パラメータをカスタムIFCプロパティとして(カスタムプロパティセットに)保存し、エクスポート用に準備します。
•対応するパラメータがIFC 2x3設定に存在する(例えば、ArchiCADの「防火等級」パラメータが標準IFCプロパティ「FireRating」に対応している)場合は、特定のライブラリ部品パラメータを標準IFCプロパティとして(標準プロパティセットで)保存およびエクスポートするように準備します。
•ライブラリ部品パラメータを、他のアプリケーションのインポート/エクスポート処理で使用されるIFCプロパティと一致させます。つまり、IFCオプションで使用された変換ファイルは、ArchiCADのIFCインポート処理([開く]/[結合]、[IFCモデルの変更を検出]および[IFCモデルで更新])で考慮され、例えば別のプログラムからインポートしたIfcSpaceのカスタムプロパティ(Revit Roomなど)がArchiCADゾーンライブラリ部品の値にマップされます。
複数の設定ファイル(拡張子.xmlを使用)を作成、保存([新規])、参照([参照])、変更([編集])できます。マップ処理は、常にここで選択した1つの設定ファイルに基づいて行われ、その名前が[設定ファイルのパス]フィールドに表示されます。
設定ファイルの新規作成または既存の設定ファイルの編集は、以下の主要コントロールを含むダイアログボックスを使用して行います。
左上のオブジェクトリストには、現在プロジェクトにロードされているライブラリが表示されます(フォルダビュー)。フォルダビュー(使用されているオブジェクトのみ)と検索基準を切り替えることができ、さまざまな条件に基づいてオブジェクトを検索できます。

左下のリスト([使用可能なパラメータ])には、上のリストで選択したライブラリ部品の全てのパラメータが表示されます ([フォルダビュー]では、複数のオブジェクトを選択している場合、このリストは空です)。
右側の設定リストには、現在の設定ファイルを使用してIFCプロパティに変換するパラメータが表示されます。パラメータをこのリストに配置するには、以下の方法を使用します。
•複数選択したライブラリ部品の一部または全てのパラメータをこのリストにドラッグするか、[全てのパラメータを追加]ボタンをクリックします。
•選択したライブラリが1つのみの場合は、そのパラメータの一部または全てをこのリストにドラッグ、または[パラメータを追加]をクリックします。
設定リストで、パラメータのローカライズされた名前に対応するIFCプロパティ名を使用して、特定のライブラリ部品に属する全てのパラメータを独自のカスタムプロパティセット(AC_Pset_"ライブラリ部品名")に保存します。IFC要素タイプ(IfcDoorなど)は、オブジェクトのGDLサブタイプに基づいて自動作成され、必要に応じて変更できます(任意のIFCエンティティとして再分類できる場合)。
例:[ドア設定]ダイアログボックスを使用して、コストおよび防火等級パラメータをドアに割り当てました。これらのパラメータ(およびその値)をカスタムIFCプロパティとして、ドアと共にIFCファイルにエクスポートします。これを行うには、ドアの2つのパラメータを設定リストにドラッグするだけです。ドアパラメータの値は、エクスポート時にこれらのIFCプロパティに割り当てられます。IFCモデルビューアー/チェッカーを使用するなどして、結果を確認できます。
完了した設定ファイルをXML形式で保存するには、[保存]をクリックします。[保存]ボタンは、[IFCオプション]ダイアログボックスで[拡張されたライブラリ部品項目の設定の使用]が有効化されており、[設定ファイルのパス]フィールドにファイルが表示されている場合に有効になります。
注記:選択した設定ファイルは、追加のカスタムプロパティセットを保存する場合にも使用されます([IFC変換設定]→[エクスポートオプション]→[エクスポートする派生モデルデータ]→[全てのライブラリ部品パラメータをカスタムプロパティセットとして])。
必要に応じて、設定リストで以前にマップしたIFCプロパティとプロパティセットの名前を変更できます。このようにして、特定のパラメータを標準IFCプロパティとしてエクスポートできます (ArchiCADはインポート処理中にも設定ファイルを使用します。受け取ったカスタムプロパティに対応するものがArchiCADにあれば、それと組み合わせることができます。例えば、RevitからカスタムIfcSpaceを受け取った場合、どのArchiCADゾーンパラメータをそのIFCプロパティに対応させるかを定義できます)。
例:防火等級パラメータをエクスポートし、標準IFCプロパティとしてドアに割り当てるとします。このパラメータの対応物が IFC2x3 スキームに「FireRating」という名前で「Pset_DoorCommon」プロパティセットにあるため、この割り当ては可能です。これを行うには、既存のIFCプロパティセットとIFCプロパティの名前を適宜変更するだけです。
設定ファイルを使用してパラメータをマップすると、現在のプロジェクトですぐに有効になります。ライブラリ部品が選択されている場合は、対応するIFCプロパティとプロパティセットが、影響を受けるライブラリ部品の設定ダイアログボックスとIFCマネージャーに、取得されたデータとして表示されます。
このコントロールは、IFCマネージャーで使用するツリービューを変更するために使用します。ArchiCADモデル(IFCモデルのインポート後でも)にオブジェクト(MEP要素、設備、モルフ要素など)を含むArchiCADゾーン(IfcSpaces)が含まれる場合、IFCマネージャーのコンテナツリーのビューを、各IfcSpaceに属するオブジェクト内容およびモルフ内容を一覧表示するビュー(スペース閉じ込めと呼ばれる)に切り替えることができます。
注記:スペース閉じ込めツリービューは、IFCマネージャーではビジュアリゼーションモードにすぎません。ただし、要素のACゾーン(IfcSpace)関係をエクスポートする場合、使用しているIFCトランスレータの[エクスポートする派生モデルデータ]オプションで、エクスポートについて[スペース閉じ込め]オプションをオンにする必要があります。この場合、IFCモデル階層では、一つの要素が直接、それが配置されたIfcSpaceにリンクされ、間接的にのみ(IfcSpaceを通じて)、IfcSpaceホームフロア(IfcBuildingStorey)にリンクされます。
「エクスポートオプション」を参照してください。
IFC 2x3の標準言語は英語です。そのため、インターフェイスのデフォルトおよび推奨設定は英語です。ArchiCADのローカライズバージョンでは、一部の標準IFCキーワード(IFCエンティティ、プロパティ、属性名など)がローカル言語で表示されることがありますが、これはインターフェイスでユーザーがIFC用語を理解しやすくするためだけのもので、エクスポートには影響しません。
インポート中に生成したライブラリ部品用のフォルダシステムオプション
デフォルトでは、ライブラリ部品(例、ArchiCADオブジェクト)がIFCインポートの際に作成される場合、ライブラリ部品はプロジェクトの埋め込みライブラリに配置されます。作成したオブジェクトをリンクライブラリに保存することで、この設定を変更することができます。IFCインポートの際に作成されたライブラリ部品を記録するために、要素(埋め込み、あるいはリンクライブラリのいずれかに保存されたもの)の全てが, 自動的にサブフォルダに保存され、サブフォルダの名前はインポートしたIFCファイルにインポートの時刻が付いた名前になります。
ヒント:繰り返し行う、大きなモデルのIFC結合プロセスの場合、ライブラリ部品が多数生成されると、埋め込みライブラリが非常に大きなものになり、パフォーマンス上、問題になることがあります。この場合、作成したライブラリ部品を、代わりにリンクされたライブラリに保存します。
注記:
•インポート時に、目的のフォルダが書き込み可能になっていることを確認してください。書き込み可能でない場合、インポートプロセスは失敗します。
•チームワークにおいては、[リンクライブラリ]オプションは使用できません。生成したライブラリ部品は埋め込みライブラリに保存されます。
EDM(Express Data Manager)ツールキットは、インポートしたIFCモデルからArchiCADモデルを作成し、エクスポートしたArchiCADモデルからIFCファイルを作成するエンジンです。デフォルトのエンジンを推奨しますが、必要に応じて、ここで[再定義]オプションを使用してエンジンを変更できます。