サンプリング

サンプリングの設定は、GIサンプリングにのみ影響を与えます。つまり、環境から光を集束するために、送信するサンプル数とその送信場所にのみ影響を与えます。サンプルはシェーディングポイントから半球状に送信されます(「一次サンプラー」とも呼ばれます)。

サンプル数は最も重要であり、サンプルを送信する場所は微調整時に使用します(ラジオシティマップを使用する場合を除く)。

ストキャスティックサンプル

[品質]:次の2つの方法でサンプル数を定義します。

各品質設定(低、中、高、精度)で制御される自動算定を使用します。

[サンプルカウント]設定で定義する一定数のサンプルを使用します。

GISampling.png 

[カスタムサンプルカウント]を使用すると、[サンプルカウント]の値を手動で定義できます。

[カスタム精度]を使用すると、[精度]の値を手動で定義できます。

[精度]:最適なサンプルカウントを定義します。最適なカウントは、プロジェクト(および IR GIモードでは、その他の照度キャッシュの設定)および定義する[精度]値に応じて異なります。

[サンプルカウント]:使用する一定数のサンプルを定義します。値を高くすると、それに応じてレンダリング品質が向上します(QMCでは画像の鮮明度が向上し、IRではスポットの数が減少します)。

SampleCount.png 

カスタムカウントを定義しない場合、このレンダリングのサンプルカウントは離散エリアサンプリングと離散空エリアサンプリングでも使用されます(下記を参照)。

離散エリアサンプリング

これを有効にするには、[GIエリアを個別サンプリング]をチェックします。

このサンプリングタイプを使用するには、表面の輝度チャンネルで[GIエリアライト]オプションを有効にする必要があります。

照明」を参照してください。

このサンプリング方式では、追加のサンプルを(ポリゴン)エリアライトに送信します。これによりエリアライトが不均等に強調されます。これはGIの品質に大きな効果をもたらします。

このオプションを無効にしても、GIの計算からエリアライトは省略されません。エリアライトは、特に注目を集めるものではなく、半球サンプリングにランダムに当たります(それに応じて結果が不鮮明になります)。

[ピクセル単位強制]:このオプションはIR GIモードでのみ効果を発揮します。通常、照度キャッシュを作成すると、キャッシュには全ての光が考慮されます。ただし、非常に小さく明るいエリアライトの場合、これは機能しません。結果として、むらのある画像が生成されます。[ピクセル単位強制]オプションを有効にすると、エリアライトの計算がキャッシュから分離され、ピクセル(オブジェクト表面、ただし背景や天空などを除く)ごとに個別に計算されます(QMC GIモードのデフォルトの動作)。

カスタムカウント/サンプルカウント

これらのフィールドでは、カスタムサンプルカウントを定義します。[カスタムカウント]を無効にすると、[ストキャスティックサンプル]で定義した値と同数のサンプルが使用されます。

離散空サンプリング

これを有効にするには、[空/スカイを個別サンプリング]をチェックします。

このサンプリングモードでは、特に天空を考慮します(Physical Sky、HDRI Skyなど)。

天空マップはレンダリング時に内部で計算され、レンダリング時に最も明るい領域を中心として、追加作成されたサンプルを集中させます。これは、十分なコントラストを持つHDRIテクスチャが、局所的に非常に明るい領域に影を投影できることを意味します。

このオプションを無効にしても、GIの計算から天空は省略されません。天空は、特に注目を集めるものではなく、半球サンプリングにランダムに当たります(非常に明るい太陽光により画像が不鮮明になります)。

[ピクセル単位強制]:HDRIテクスチャを適用した天空オブジェクトが窓の背後に配置されます。

このオプションはIR GIモードでのみ効果を発揮します。照度キャッシュを作成すると、通常、天空はサンプリングされ、キャッシュで考慮されます。明るい領域(太陽光)または表面積が小さい領域では、この方式に制約が生じ、むらのあるレンダリングが生成されます。

[ピクセル単位強制]オプションを有効にすると、天空が放射する光の計算がキャッシュから分離され、該当するピクセル(オブジェクト表面、ただし背景や天空などを除く)ごとに個別に計算されます。これは、QMC GIモードではデフォルトの動作です。

カスタムカウント/サンプルカウント

これらのフィールドでは、カスタムサンプルカウントを定義します。[カスタムカウント]を無効にすると、[ストキャスティックサンプル]で定義した値と同数のサンプルが使用されます。

ラジオシティマップ

これを有効にするには、[ラジオシティマップを使用]をチェックします。

ラジオシティマップは、オプションのGI計算方式で、レンダリング時間を削減しながら高精度のQMCレンダリングを作成できます(ただし、IRモードの方がレンダリング時間は短くなります)。

簡単に言うと、実際のGI計算の前に、レンダリング時にポリゴンの照明(光源、エリアライト、天空)が特殊なテクスチャとして内部で計算されます。次に、これらのラジオシティマップが実際のGI計算で使用されるため、レンダリングが高速になります。この方式には、いくつかのメリットとデメリットがあります。

メリット

GI計算が高速です。

ラジオシティマップを保存して再利用できます。

デメリット

実際の拡散反射回数(拡散した光の反射回数)が1(エリアライト/天空の場合は2)であるため、レンダリングが暗くなります。これはガンマ値を増やすことで、ある程度補正できます。

必要なメモリが増加します。

完全な球体などの特殊なオブジェクトはサポートされません。

シンプルな形状(厚みのない単一ポリゴン壁など)を使用した場合、そこに光が差し込むことがあります。これを回避するには、より現実的なモデリングが必要になります(壁に厚みをもたせるなど)。

ヒント:

ラジオシティマップを表示できます(モードコントロールを「シェーディング」に設定します)。

ラジオシティマップには光の拡散があり、これは最大限の均質性を備えます。

マップ密度

この設定を使用して、ラジオシティマップの解像度を定義します。値を高くすると、それだけテクセル(均一な色/明るさが確保される小さな正方形)は小さくなり、ラジオシティマップの品質は高くなります(これに応じてレンダリング時間は長くなり、必要なメモリも増加します)。

RadiosityMaps.png 

モードをテクセルに設定してプロジェクトをレンダリングすると、複雑な計算なしにテクセルを表示できます。

テクセルが大きすぎて光が差し込む場合は、テクセルのサイズを小さくすると、その現象を改善できます。

サンプリング分割数

これはテクセルのアンチエイリアスの一種です。値を2に設定すると、正方形のテクセルが4つに分割され、分割された要素ごとに色が計算されてテクセルが平均化されます。値を 3 に設定すると、テクセルが 9 個に等分されます。値を高くすると、それだけ品質は向上しますが、それに応じてレンダリング時間は長くなり、メモリの使用量も増加します。

混合モード

[標準]:標準的なレンダリングモードで、テクセルは表示されません。このモードは、最終的なレンダリングで使用する必要があります。

[シェーディング]:テクセルの拡散とテクセルのシェーディングが同時に表示されるため(光、色、シャドウなどを考慮)、最も包括的なモードです。

[前方シェーディング]/[後方シェーディング]

これらの設定は、ポリゴンの前方と後方のシェーディングを表示する場合に使用します。

[テクセル]:テクセルをグレースケールパターンで表示します。これは照明の影響を受けません。

[エリアサンプリング]:このオプションを有効にすると、ラジオシティマップと追加サンプル数([サンプルカウント]設定で定義)の計算に、GIエリアライトも含まれます。このオプションは常に有効にしておくことをお勧めします。

[スカイサンプリング]:このオプションを有効にすると、ラジオシティマップ(天空とPhysical Sky)と追加サンプル数([サンプルカウント]設定で定義)の計算に、天空も含まれます。このオプションは常に有効にしておくことをお勧めします。