ARCHICADの要素分類([要素の設定]→[カテゴリとプロパティ]パネル)は、要素のIFCタイプ(IFCデータ管理のIFCエクスポートおよびインポート)に反映されます。次の表に、要素分類とIFCタイプ(および、IFC製品タイプ種類の定義への影響)間の双方向マップ処理ルールを示します。場合によっては、要素分類で「事前定義タイプ」IFC属性値が設定され、より詳細なIFCタイプ分類([IFCタイプ]列のかっこ内のテキスト)が表示されます。例えば、「屋根」要素分類で「IfcSlab」IFCタイプが設定され、「屋根」の事前定義されたタイプ属性値が表示されます。
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要素分類 |
IFCタイプ |
デフォルト |
代替IFC製品タイプ |
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梁 |
IfcBeam |
IfcBeamType |
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建築要素プロキシ |
IfcBuildingElement |
IfcBuildingElement |
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ケーブルキャリア金具 |
IfcFlowFitting |
IfcCableCarrier |
IfcDuctFittingType、IfcJunctionBoxType、IfcPipeFittingType |
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ケーブルキャリア分節 |
IfcFlowSegment |
IfcCableCarrier |
IfcCableSegmentType、IfcDuctSegmentType、IfcPipeSegmentType |
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天井 |
IfcCovering(天井) |
IfcCoveringType |
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柱 |
IfcColumn |
IfcColumnType |
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表面 |
IfcCovering(未定義) |
IfcCoveringType |
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カーテンウォール |
IfcCurtainWall |
IfcCurtainWallType |
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個別付属品 |
IfcDiscreteAccessory |
IfcDiscreteAccessoryType |
IfcVibrationIsolatorType |
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分岐チャンバー要素 |
IfcDistribution |
IfcDistribution |
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分岐制御要素 |
IfcDistributionControl |
IfcControllerType |
IfcActuatorType、IfcAlarmType、IfcFlowInstrumentType、IfcSensorType |
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分岐要素 |
IfcDistribution |
IfcDistribution |
IfcDistributionChamber |
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分岐フロー要素 |
IfcDistributionFlow |
IfcValveType |
IfcAirTerminalBoxType、IfcDamperType、IfcElectricTimeControlType、 IfcFlowMeterType、IfcProtectiveDeviceType、IfcSwitchingDeviceType |
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ドア |
IfcDoor |
IfcDoorStyle |
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ダクト金具 |
IfcFlowFitting |
IfcDuctFittingType |
IfcCableCarrierFittingType、IfcJunctionBoxType、IfcPipeFittingType |
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ダクトフローターミナル |
IfcFlowTerminal |
IfcAirTerminalType |
IfcElectricApplianceType、IfcElectricHeaterType、IfcFireSuppressionTerminal |
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ダクト分節 |
IfcFlowSegment |
IfcDuctSegmentType |
IfcCableCarrierSegment |
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エネルギー変換装置 |
IfcEnergyConversion |
IfcTransformerType |
IfcAirToAirHeatRecovery |
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固定具 |
IfcFastener |
IfcFastenerType |
IfcMechanicalFastenerType |
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フロー制御装置 |
IfcFlowController |
IfcValveType |
IfcAirTerminalBoxType、IfcDamperType、IfcElectricTimeControlType、 IfcFlowMeterType、IfcProtectiveDeviceType、IfcSwitchingDeviceType |
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フロー移動装置 |
IfcFlowMovingDevice |
IfcPumpType |
IfcCompressorType、IfcFanType |
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フローストレージ装置 |
IfcFlowStorageDevice |
IfcTankType |
IfcElectricFlowStorage |
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フロー処理装置 |
IfcFlowTreatment |
IfcFilterType |
IfcDuctSilencerType |
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基礎 |
IfcFooting(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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家具 |
IfcFurnishingElement |
IfcFurnishingElementType |
IfcFurnitureType、IfcSystemFurnitureElement |
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ランプ |
IfcFlowTerminal |
IfcLampType |
IfcAirTerminalType、IfcElectricApplianceType、IfcElectricHeaterType、IfcFireSuppressionTerminal |
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照明設備 |
IfcFlowTerminal |
IfcLightFixtureType |
IfcAirTerminalType、IfcElectricApplianceType、IfcElectricHeaterType、IfcFireSuppressionTerminal |
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固定機器 |
IfcMechanical |
IfcMechanical |
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部材 |
IfcMember |
IfcMemberType |
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杭 |
IfcPile(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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パイプ金具 |
IfcFlowFitting |
IfcPipeFittingType |
IfcCableCarrierFittingType、IfcDuctFittingType、IfcJunctionBoxType |
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パイプフローターミナル |
IfcFlowTerminal |
IfcSanitaryTerminal |
IfcAirTerminalType、IfcElectricApplianceType、IfcElectricHeaterType、IfcFireSuppressionTerminal |
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パイプ分節 |
IfcFlowSegment |
IfcPipeSegmentType |
IfcCableCarrierSegment |
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プレート |
IfcPlate |
IfcPlateType |
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手摺り |
IfcRailing(未定義) |
IfcRailingType |
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傾斜 |
IfcRamp(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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傾斜部 |
ifcRampFlight |
IfcRampFlightType |
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強化バー |
IfcReinforcingBar |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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強化メッシュ |
IfcReinforcingMesh |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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屋根 |
IfcSlab(屋根) |
IfcSlabType |
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サイト形状 |
IfcSite形状の部品 |
(使用不可) |
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スラブ |
IfcSlab(床) |
IfcSlabType |
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階段 |
IfcStair(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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階段部 |
IfcStairFlight |
IfcStairFlightType |
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テンドン |
IfcTendon(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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テンドンアンカー |
IfcTendonAnchor |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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移送要素 |
IfcTransportElement(未定義) |
IfcTransportElement |
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壁 |
IfcWall |
IfcWallType |
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窓 |
IfcWindow |
IfcWindowStyle |
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要素分類変更のIFCタイプマッピング結果は、[IFCプロパティ]([要素の設定]→[カテゴリとプロパティ]パネル)またはIFCマネージャーで確認できます。[検索と選択]を使用して[IFCタイプ]基準ごとのフィルタリングや、インタラクティブな要素一覧表を使用してARCHICAD要素のデータのリスト表示を行うこともできます。例えば、 IfcSlab IFCタイプのモデル要素のみを選択またはリストすることができます。
要素に自動的に生成されたIFC製品タイプは、IFCマネージャーでのみ、確認と管理ができます。また、場合によっては、デフォルトのIFC製品タイプは、IFCマネージャー内の別のIFC製品タイプに変更することができます。
「IFC製品タイプ」を参照してください。
要素分類は、ARCHICADツールボックスに厳密に対応するものがない建築物要素のモデルを作成する必要がある場合に非常に便利です。例えば、スラブツールを使用して天井要素のモデルを作成する場合があります。デフォルトでは、スラブツールは「スラブ」要素分類を使用しますが、それを簡単に「天井」に変更できます。これにより、スラブツールで定義された要素のIFCタイプも影響を受けます。つまり、「天井」に分類された各要素は、事前定義されたタイプが「天井」の「IfcCovering」要素として管理されます(エクスポートおよびデータ管理)。
ヒント: 要素分類は、IFC交換に直接関連付けられていないため、次のような別の利点があります。要素分類によるプロパティの定義([オプション]→[プロパティ管理])、[検索と選択]によるプロジェクトの[要素分類]基準でのフィルタリング、インタラクティブな要素一覧表によるARCHICAD要素のデータのリスト表示が可能です。例えば、スラブツールで定義されていますが「天井」として分類されている要素のみ、あるいは、任意のツールで定義されていますが「家具」として分類されている全ての要素を選択したりリスト表示したりできます。
これらの機能の詳細については「プロパティマネージャー」、「要素の検索と選択」および「一覧表」を参照してください。
オブジェクトの場合、オブジェクトにサブタイプがある(例えば、オブジェクトに柱というサブタイプがある)場合、サブタイプは要素分類とIFCタイプをマップします。例えば、「柱」サブタイプは「柱」要素分類と「IfcColumn」IFCタイプを設定します。
一部のサブタイプは、要素分類と、サブタイプのグループ名に対応するIFC要素タイプが自動的に割り当てられます。例えば、「ベッド」、「椅子」、「テーブル」サブタイプは「家具」要素分類と「IfcFurnishingElement」IFCタイプ(グループ名が「Furnishing」サブタイプであるため)に自動的に設定されます。
オブジェクト設定の[カテゴリとプロパティ]パネルで、「要素分類」のデフォルト値を別の値に変更すると、デフォルトのサブタイプ要素分類マッピング(そしてIFCタイプ分類)を上書きできます。
「サイト形状」と分類されたARCHICAD要素は、IFCエクスポートプロセスの一部として、IfcSite形状の一部となります(ARCHICAD要素に形状がある場合)。IfcSiteのIFCデータは、IFCマネージャーでのみ編集することができるので、このようなARCHICAD要素の[カテゴリとプロパティ]パネル内には「IFCプロパティを管理」インターフェイスはありません。
通り芯設定([デザイン]メニュー)はIfcGridコンテナとしてエクスポートされ、そのメンバーはIfcGridAxis要素として表示されます。個別の通り芯要素インスタンス(通り芯設定には含まれませんが通り芯要ツールで定義される)は、IfcGridAxis要素としてもエクスポートされますが、単一のIfcGridコンテナでグループ化されます。通り芯要素のエクスポートは、IFCトランスレータで該当するオプションが有効な場合のみ行われます。
全ての2D要素(線種、塗りつぶし、テキスト、寸法が異なる)は、IFCスキームに基づくIfcAnnotation要素としてマップされます。IFC標準は、寸法のインテリジェントなエクスポートをサポートしていません(また、目標にしていません)。そのため、寸法項目をエクスポートすると線コンポーネントとテキストコンポーネントに分解され、IfcAnnotationコンテナにグループ化されます。2D要素のエクスポートは、IFCトランスレータで該当するオプションが有効な場合のみ行われます。
「インポート/エクスポートフィルタオプション」を参照してください。
IFCモデルのインポートでは、次のようにIFCタイプに応じた要素変換ルールが使用されます。
•インポートしたIFCモデル要素の形状が「押出」(および「組み立て要素」変換オプションがIFCインポートオプションとして使用されている)で、ARCHICADツール(オブジェクトタイプツールでなく)を使用して再作成できる場合、インポートした要素は、IFCタイプ要素分類双方向マッピングに基づいてネイティブの編集可能なARCHICAD要素に変換されます。例えば、(「梁」要素分類を使用して)IfcBeamはARCHICADの梁に変換されます。
•インポートしたIFCモデル要素の形状が「BREP」であるか、または非オブジェクトタイプのARCHICADツールで再作成できない場合(つまり、対応するARCHICADツールがない場合)、オブジェクトまたはモルフに変換されます(IFCトランスレータの[インポートオプション]→[形状変換]の設定に依存)。ただし、IFCタイプから取得される適切な要素分類が使用されます。例えば、BREP IfcBeamは(サブタイプが「梁」の)ARCHICADオブジェクトまたはモルフに変換されます。どちらの場合も要素分類は「梁」になります。
IFCトランスレータについては、「インポートオプション」を参照してください。
「押出」形状は標準のIFC形状形式で、要素のパラメータ値(厚み、高さ、基準線またはエッジの位置、複合構造の仕上げ構造など)を含みます。一部の特殊な断面は保持されません。「境界表現」(BREP)図形作成法は、要素の形状をその特殊な断面/接続と一緒に再現する方法に似ています(ただし要素のパラメータは失われます)。
ARCHICADの要素分類は、その要素のIFCエクスポートタイプに反映されます。上の表に表示するマップは、要素のデフォルトの要素分類値(要素設定の[カテゴリとプロパティ]パネルの[要素分類]で設定)が使用されている場合のデフォルトおよび推奨状態を示しています。