このチェックでは、交差する2つの構造要素の中から、躯体が相互に接続されていない要素を識別します。
この例の場合:
壁はスラブ仕上げまでしかスラブと交差しておらず、躯体は接続されていません。
要素の躯体が接続されていないと調整ルールを適用できず、2D部材が未接続のままになるため、この問題は構造解析モデルに影響を与えます。
コメント:
–基本構造の全ての要素には躯体が含まれるため、このチェックでは常に考慮されます。
–断面形状と複合構造が考慮されるのは、「躯体」として定義されている少なくとも1つの構成要素が含まれる場合のみです。
–躯体を含む全ての要素が考慮されます(構造耐力要素だけでなく)。
このチェックでは、構造耐力要素のペアの中から、まったく交差していないが、指定の許容値よりも相互に近い要素を識別します。
このような状況では、下図に示すようにスラブと壁の間に小さな隙間が存在しており、多くの場合、モデリングエラーになります。
躯体の寸法比率が不十分な要素
このチェックボックスを使用して、このグループのパラメータをまとめてオンあるいはオフにします(または任意のパラメータを個別にオフにします)。
各パラメータでは、梁、柱、スラブ、および壁の特定の躯体寸法の比率を調べて、結果の比率が定義された範囲内であるかどうかを確認します。
比率が定義された範囲を外れている場合、これらの要素はモデルチェックダイアログに「躯体の寸法比率が不十分な要素」として識別されます。
•構造機能に関係なく、躯体を含む全ての要素が考慮されます(構造耐力要素だけでなく)。
•チェック対象の寸法は要素の躯体部分です。
–例えば、厚さ300mmの複合構造スラブ(200mmの躯体構成要素と100mmの断熱材および仕上げ)の場合、チェックでは200mmの躯体厚さのみが考慮されます。
•チェック対象の比率を図で確認するには、項目を選択してから[情報]ボタンをクリックします。
図を表示するには、パラメータを選択して[情報]ボタンをクリックします
「不十分な比率」パラメータを使用する場合のヒント
[物理モデルの品質チェック]ダイアログのこのパラメータセットは、コンクリート構造に関するEurocode標準に基づいています (それぞれの簡単な説明については、下記を参照)。
例えば、断面の幅と高さが釣り合っていない柱は、1D部材ではなく2D部材とみなされる可能性があります。
モデルチェックダイアログに表示される結果は必ずしもエラーとは限りません。ただし、整合性を高めるために、この「不十分な比率」パラメータを使用して、特定のワークフローや受け取り側ソフトウェアの要件に適合させることができます。例、
•プロジェクトチームメンバーは、特定の構造(パラペットなど)を梁ではなく壁(または壁ではなく梁)を使用してモデル化することに合意できています。
•プロジェクトチームメンバーは、単一の非常に長い壁ではなく個別の辺を使用して、壁をモデル化することに合意できています。
•モデルチェックを使用して不具合の有無を確認します。
不十分な躯体の寸法比率に関連する以下のパラメータをチェックします。
梁: 躯体断面の高さ/要素の長さ
梁の全長とその(躯体断面)高さの比率です。
例えば、梁が長さと比較して「高すぎる」場合(所定の相対値に基づく)、モデルチェックレポートに表示されます。
構造解析ソフトウェアのルールによって、この要素が1D部材ではなく2D部材(壁など)として、または梁ではなく柱としてみなされる場合があります。
注記:「壁の高さ/長さ」パラメータ(下記を参照)では、これと逆の状況をチェックします。
長さと比較して「高すぎる」梁
柱の寸法パラメータ
次の2つのパラメータでは、柱の寸法を以下の2つの方法でチェックします。
躯体断面の寸法/要素の高さ
躯体断面の寸法比率
コメント:
–これらのパラメータでは、「躯体」として定義された柱の部分のみが考慮されます。
–仕上げが含まれる柱では、その仕上げ構成要素が「躯体」として定義されている場合に(柱の設定の[セグメント]ページ)仕上げ厚さが考慮されます。仕上げが「仕上げ」または「その他」として定義されている場合は考慮されません。
スラブの厚み/面積比率
スラブの躯体の厚みと面積を比較します。
この比率が所定の値より大きい場合(スラブがその面積と比較して「厚すぎる」場合)、モデルチェックレポートに表示されます。
面積と比較して「厚すぎる」スラブ
壁の高さ/長さの比率
壁の高さとその全長の比率です。
例えば、壁が長さと比較して「高すぎる」場合(所定の相対値に基づく)、モデルチェックレポートに表示されます。
構造解析ソフトウェアのルールによって、このような要素が2D部材ではなく1D部材(梁など)とみなされる場合があります。
注記:「梁の高さ/長さ」パラメータ(上記を参照)では、これと逆の状況をチェックします。