ArchiCADの各モデル要素、建築タイプオブジェクト、注釈要素のIFC構造にはマップされたペアが存在します(IFC要素タイプ)。以下の表は、ArchiCAD要素から変換されるデフォルトのIFC要素タイプをまとめたものです。
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ArchiCAD |
マップされた |
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ArchiCADオブジェクト > サブタイプ |
マップされた |
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壁 |
IfcWallまたはIfcWallStandard Case (形状に応じて) |
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オブジェクト> 壁 |
IfcWall |
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ドア |
IfcDoor |
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オブジェクト> ドア |
IfcDoor |
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窓 |
IfcWindow |
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オブジェクト> 窓 |
IfcWindow |
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天窓 |
IfcWindow |
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オブジェクト> 開口 |
IfcOpeningElement |
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屋根 |
IfcSlab(事前定義タイプは屋根) |
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オブジェクト> 屋根 |
IfcSlab(事前定義タイプは屋根) |
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シェル |
IfcSlab(事前定義タイプは屋根) |
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オブジェクト> 梁 |
IfcBeam |
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梁 |
IfcBeam |
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オブジェクト> 柱 |
IfcColumn |
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柱 |
IfcColumn |
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オブジェクト> 杭 |
IfcPile |
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スラブ |
IfcSlab(事前定義タイプは床) |
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オブジェクト> スラブ |
IfcSlab(事前定義タイプは床) |
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階段 |
IfcStair |
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オブジェクト> プレキャストスラブ |
IfcSlab |
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モルフ |
IfcBuildingElementProxy |
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スロープ(Stair Maker) |
IfcStair |
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オブジェクト> プレート |
IfcPlate |
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メッシュ |
IfcBuildingElementProxy(IfcSite形状として) |
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オブジェクト> 部材 |
IfcMember |
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カーテンウォール |
IfcCurtainWall |
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オブジェクト> テンドン |
IfcTendon |
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ゾーン |
IfcSpace |
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オブジェクト> 階段 |
IfcStair |
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壁の終端 |
IfcWall |
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オブジェクト> 階段部材 |
IfcStairFlight |
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コーナー窓 |
IfcWindow |
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オブジェクト> 傾斜 |
ifcRamp |
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通り芯 |
IfcGridAxis |
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オブジェクト> 傾斜部材 |
ifcRampFlight |
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通り芯設定 |
IfcGrid |
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オブジェクト> 手摺 |
IfcRailing |
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ランプ |
IfcFlowTerminal |
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オブジェクト> カーテンウォール |
IfcCurtainWall |
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寸法 |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> 家具 |
IfcFurnishingElement |
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高度寸法 |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> 木製トラス |
IfcBeam |
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テキスト |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> 基礎 |
IfcFooting |
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ラベル |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> フーチング |
IfcFooting |
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塗りつぶし |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> スペース |
IfcSpace |
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線 |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> カバー |
IfcCovering |
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円弧/円 |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> 鉄筋 |
IfcReinforcingBar |
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ポリライン |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> 溶接金網 |
IfcReinforcingMesh |
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半径寸法 |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> 壁の終端 |
IfcWall |
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角度寸法 |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> 電気的要素 |
IfcFlowTerminal |
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スプライン |
IfcAnnotation |
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オブジェクト> 継手 |
IfcFlowFitting |
注記:
•通り芯と2D要素のエクスポートは、IFCトランスレータで該当するオプションを有効にしている場合のみ行われます。
「インポート/エクスポートフィルタオプション」を参照してください。
•IFC標準では、寸法のインテリジェントなエクスポートはサポートされていません。そのため、寸法要素をエクスポートすると、要素が線とテキストに分解されます(IfcAnnotation要素)。
•オブジェクトの場合、サブタイプ(例えば、壁サブタイプを持つオブジェクト)を分類できる場合、オブジェクトはそれに応じてエクスポートされます(IfcWallとしてなど)。一部のサブタイプは、そのグループ名に対応するIFC要素タイプが自動的に割り当てられます(例:「ベッド」、「椅子」または「テーブル」サブタイプの場合、そのグループ名が「Furnishing」サブタイプのため、IFCタイプは「IfcFurnishingElement」に自動的に設定されます)。IFC要素タイプに対応するサブタイプが存在しない場合は、IFC2x_Base_Objectの下でサブタイプを検索するか(下図を参照)、オブジェクト設定の[タグとカテゴリ]パネルで[要素分類]オプションを使用(後述を参照)することをお勧めします。そのようなIFC要素タイプが存在しない場合は、オブジェクトは一般的なソリッドオブジェクト「IfcBuildingElementProxy」としてエクスポートされます。
ArchiCADの要素分類は、その要素のIFCエクスポートタイプに反映されます。上の表に表示するマップは、要素の要素分類値(要素設定の[タグとカテゴリ]パネルの「要素分類」で設定)が「ArchiCADタイプ」に設定されている場合のデフォルトおよび推奨状態を示しています。
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要素分類 |
IFC要素タイプ(事前定義タイプ) |
デフォルトIFC製品タイプ |
代替IFC製品タイプ (IFCマネージャーで設定可) |
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梁 |
IfcBeam |
IfcBeamType |
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建築要素プロキシ |
IfcBuildingElement |
IfcBuildingElement |
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ケーブルキャリア金具 |
IfcFlowFitting |
IfcCableCarrier |
IfcDuctFittingType、IfcJunctionBoxType、IfcPipeFittingType |
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ケーブルキャリア分節 |
IfcFlowSegment |
IfcCableCarrier |
IfcCableSegmentType、IfcDuctSegmentType、IfcPipeSegmentType |
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天井 |
IfcCovering(天井) |
IfcCoveringType |
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柱 |
IfcColumn |
IfcColumnType |
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表面 |
IfcCovering(未定義) |
IfcCoveringType |
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カーテンウォール |
IfcCurtainWall |
IfcCurtainWallType |
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個別付属品 |
IfcDiscreteAccessory |
IfcDiscreteAccessoryType |
IfcVibrationIsolatorType |
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分岐チャンバー要素 |
IfcDistribution |
IfcDistribution |
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分岐制御要素 |
IfcDistributionControl |
IfcControllerType |
IfcActuatorType、IfcAlarmType、IfcFlowInstrumentType、IfcSensorType |
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分岐要素 |
IfcDistributionElement |
IfcDistribution |
IfcDistributionChamber |
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分岐フロー要素 |
IfcDistributionFlow |
IfcValveType |
IfcAirTerminalBoxType、IfcDamperType、IfcElectricTimeControlType、 IfcFlowMeterType、IfcProtectiveDeviceType、IfcSwitchingDeviceType |
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ドア |
IfcDoor |
IfcDoorStyle |
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ダクト金具 |
IfcFlowFitting |
IfcDuctFittingType |
IfcCableCarrierFittingType、IfcJunctionBoxType、IfcPipeFittingType |
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ダクトフローターミナル |
IfcFlowTerminal |
IfcAirTerminalType |
IfcElectricApplianceType、IfcElectricHeaterType、IfcFireSuppressionTerminal |
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ダクト分節 |
IfcFlowSegment |
IfcDuctSegmentType |
IfcCableCarrierSegmentType、IfcCableSegmentType、IfcPipeSegmentType |
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エネルギー変換装置 |
IfcEnergyConversion |
IfcTransformerType |
IfcAirToAirHeatRecovery |
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固定具 |
IfcFastener |
IfcFastenerType |
IfcMechanicalFastenerType |
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フロー制御装置 |
IfcFlowController |
IfcValveType |
IfcAirTerminalBoxType、IfcDamperType、IfcElectricTimeControlType、 IfcFlowMeterType、IfcProtectiveDeviceType、IfcSwitchingDeviceType |
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フロー移動装置 |
IfcFlowMovingDevice |
IfcPumpType |
IfcCompressorType、IfcFanType |
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フローストレージ装置 |
IfcFlowStorageDevice |
IfcTankType |
IfcElectricFlowStorageDeviceType |
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フロー処理装置 |
IfcFlowTreatment |
IfcFilterType |
IfcDuctSilencerType |
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基礎 |
IfcFooting(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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家具 |
IfcFurnishingElement |
IfcFurnishingElementType |
IfcFurnitureType、IfcSystemFurnitureElement |
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ランプ |
IfcFlowTerminal |
IfcLampType |
IfcAirTerminalType、IfcElectricApplianceType、IfcElectricHeaterType、IfcFireSuppressionTerminal |
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照明設備 |
IfcFlowTerminal |
IfcLightFixtureType |
IfcAirTerminalType、IfcElectricApplianceType、IfcElectricHeaterType、IfcFireSuppressionTerminal |
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固定機器 |
IfcMechanicalFastener |
IfcMechanical |
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部材 |
IfcMember |
IfcMemberType |
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杭 |
IfcPile(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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パイプ金具 |
IfcFlowFitting |
IfcPipeFittingType |
IfcCableCarrierFittingType、IfcDuctFittingType、IfcJunctionBoxType |
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パイプフローターミナル |
IfcFlowTerminal |
IfcSanitaryTerminal |
IfcAirTerminalType、IfcElectricApplianceType、IfcElectricHeaterType、IfcFireSuppressionTerminal |
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パイプ分節 |
IfcFlowSegment |
IfcPipeSegmentType |
IfcCableCarrierSegmentType、IfcCableSegmentType、IfcDuctSegmentType |
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プレート |
IfcPlate |
IfcPlateType |
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手摺り |
IfcRailing(未定義) |
IfcRailingType |
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傾斜 |
IfcRamp(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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傾斜部 |
ifcRampFlight |
IfcRampFlightType |
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強化バー |
IfcReinforcingBar |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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強化メッシュ |
IfcReinforcingMesh |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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屋根 |
IfcSlab(屋根) |
IfcSlabType |
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サイト形状 |
IfcSite形状の部品 |
(使用不可) |
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スラブ |
IfcSlab(床) |
IfcSlabType |
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階段 |
IfcStair(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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階段部 |
IfcStairFlight |
IfcStairFlightType |
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テンドン |
IfcTendon(未定義) |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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テンドンアンカー |
IfcTendonAnchor |
(IFC2x3スキームで使用不可) |
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移送要素 |
IfcTransportElement(未定義) |
IfcTransportElementType |
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壁 |
IfcWall |
IfcWallType |
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窓 |
IfcWindow |
IfcWindowStyle |
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場合によっては、ArchiCADツールボックスに対応物がない建築物要素のモデルを作成する必要があります。既存のツールを使用する必要があります。例えば、スラブツールを使用して天井のモデルを作成する場合があります。これらの要素にデフォルト値「ArchiCADタイプ」を使用すると、IfcSlabとしてエクスポートされます。これを回避するには、ArchiCADの要素分類機能を使用してこのような非標準モデルに対処し、タスクを適切にエクスポートします。注釈要素を除く全てのArchiCAD要素は、IFCエクスポート用に分類できます。そのため、例えばスラブツールを使用して作成した天井のモデルは、「天井」として分類されます。このようにして、そのスラブは建築モデルのIFC階層(この設定はIFCマネージャーを使用して確認できます)およびエクスポートされるIFCモデルで、天井事前定義タイプのIfcCovering要素として分類されます。
「IFCマネージャー」も参照してください。
注記:
•モデル作成のロジックでこのような変更が要求される場合を除いて、ArchiCAD要素のデフォルト分類は変更しないでください。このような場合以外は、デフォルトの「ArchiCADタイプ」分類を使用してください。例えば、ArchiCADの壁を「壁」として分類する理由はありません。これを「ArchiCADタイプ」のデフォルト値のままにしても結果は同じで、壁は自動的にifcWallとしてエクスポートされます。
•要素分類には、IFC交換に直接関係しない別の利点もあります。[検索と選択]と[一覧表]を使用して、[要素分類]別にフィルタできます。例えば、天井のモデル作成に使用されたスラブのみを選択または表示できます。
•このように、要素分類は、ArchiCAD基準のクラス機能で、IFCエクスポートに影響を与えます。使用可能な要素分類の値は、IFCエンティティタイプの名前に正確には対応していません。 例えば、「天井」分類では、IfcCeilingのものはなく、代わりに、対応する名前は事前定義タイプの「天井」のIfcCoveringになります。屋根分類についても同様です。屋根分類のArchiCAD要素は事前定義済みのIfcSlabタイプとしてエクスポートされます(「IfcRoof」と呼ばれるエンティティはありませんが、IFCコンテナにあります。「IFCコンテナ」を参照してください)。対応するIFCエンティティのArchiCAD要素の分類を確認するには、[設定]ダイアログボックスに移動して、[タグとカテゴリ]パネルのIFCプロパティの下の括弧内に表示された値にチェックを付けます。
•サイト形状と分類されたArchiCAD要素は、IFCエクスポートプロセスの一部として、IfcSite形状の一部となります。IfcSiteのIFCデータは、IFCマネージャーでのみ編集することができるので、ArchiCAD要素の[タグとカテゴリ]パネル内には「IFCプロパティ」または「IFCプロパティを管理」インターフェイスはありません。
•要素に自動的に生成されたIFC製品タイプは、IFCマネージャーでのみ、確認と管理ができます。また、場合によっては、デフォルトのIFC製品タイプは、IFCマネージャーを使用して、別のIFC製品タイプに変更することができます。
「IFC製品タイプ」を参照してください。
これらの機能の詳細については、「要素の検索と選択」と「一覧表」を参照してください。
IFCモデルのインポートでは、次のようにIFC要素タイプに応じた要素変換ルールが使用されます。
•インポートされるIFC要素タイプ(IfcBeamなど)がArchiCADにモデル要素として存在する場合、その形状が「押出」でArchiCADツールを使用して作成できる(例:梁ツールで作成される水平梁)場合に限り、編集可能な(GDLベースでない)要素(梁など)が作成されます。
•インポートされたIFC要素タイプがGDLでないArchiCADモデル要素タイプ(梁など)として存在し、まだ「BREP」形状を持つか、対応するArchiCADツールを使用して作成できない場合(またはそのような対応するツールが存在しない場合)、適切なサブタイプ(梁サブタイプなど)を持つオブジェクトが作成されるか、あるいは適切な要素分類(「梁」など)を持つモルフが作成されます。
注記:
•作成される要素がオブジェクトかモルフかは、使用しているIFCトランスレータの形状変換インポートオプションによって異なります。
IFCトランスレータについては、「インポートオプション」を参照してください。
•「押出形状」とは、標準のIFC形状形式で、要素のパラメーター値(厚み、高さ、基準線またはエッジの位置、複合構造の仕上げ構造など)をもちます。ただし、ある種の特殊な断面をもちません。「境界表現」(BREP)図形作成法は、要素の形状をその特殊な断面/接続と一緒に再現する方法に似ています(ただし要素のパラメータは失われます)。
•当然ながら、指定された要素または要素タイプがインポートされるかどうかは、モデル要素フィルタ設定またはIFCトランスレータのインポートオプションによって異なります。